Googleで検索していると目にする「薬剤師 転職サイト 選ぶな」という言葉。この記事では、その言葉の実態を解説していきます。転職サイトの闇・裏側に踏み込んだ内容になっているので、ぜひ参考にしてください。
薬剤師転職サイトは選ぶなの理由
①直接応募と比べて(理論上)不利になる
転職サイト経由で薬局・企業(ドラッグストア)に応募し、あなたの採用が決定した場合、薬局・企業は転職サイト運営会社に紹介料を支払います。
転職サイトのビジネスモデル
転職サイト経由で紹介された薬剤師を採用する場合、薬局側は薬剤師の年収の30%ほどを紹介手数料(成果報酬)として支払います。
薬局が転職サイトを使って採用する上での”利用料”であり、転職サイトの”収益源”です。(なので薬剤師は完全無料で使える)例えば、年収500万円の薬剤師を採用したら紹介手数料は150万円+税です。
これを踏まえると、例えば「A.薬局に直接応募した薬剤師」と「B.転職サイト経由で応募した薬剤師」が同時に選考に進む場合、紹介手数料が発生する分、B.転職サイト経由で応募した薬剤師は不利になります。
もし近場で働きたいと考えていて「あの薬局だと通いやすいな」のように気になる職場の目星がついているなら、転職サイトを使う意味はありません。直接問い合わせてみてください。
転職サイトは「転職したいけど、”ここで働きたい”とかは特にない人」向けのサービスです。
ただ不利になるのはあくまで理論上の話
補足すると、転職サイト経由が不利になるのはあくまで「理論上はそうなる」というだけで、現実はそれほど意識しなくても構いません。
というのも、直接問い合わせてきた薬剤師と選考でバッティングすることなど、そうそう起こらないからです。薬剤師が直接問い合わせてくるような職場であれば、そもそも転職サイトを使って採用などしていません。
薬局が(高い利用料を払ってでも)転職サイトで人材を募集しているということは、そうしないと応募が来ないからです。
②担当者は別に薬剤師業界のプロとは限らない
薬剤師転職サイトに登録すると、担当キャリアアドバイザー(CA)が専任となり、あなたの転職をサポートしてくれます。
具体的には、キャリアアドバイザーとの電話面談で希望条件(こんな職場で働きたいetc.)を伝えると、それに合致した求人を紹介してくれる他、選考に関するアドバイスをもらうことができます。
しかしこのキャリアアドバイザーは、薬剤師業界のプロとは限りません。
実際に、とある薬剤師転職サイトのキャリアアドバイザー募集要項では「社会人経験があれば可」と記載されているほど。
極端な話、キャリアアドバイザーは誰でもできる仕事です。仕事内容の実態は、電話面談で聞いた条件をシステムに入力し、出力された求人を薬剤師に送るだけですから。
「業界のプロが自分のキャリアの悩みを深くまで理解してくれて、ここぞという職場を紹介してくれる」このような過度な期待を持つと落胆すると思います。もちろん、中には業界歴の長いアドバイザーもいるかもしれませんが、そういった一部の有能な人に当たるかどうかは運次第です。
また、これだけなら「過度な期待は禁物」という話ですが、致命的なデメリットにもなり得ます。
例えば、「(別に薬剤師業界に詳しくない)担当アドバイザーを全面的に信頼しすぎて、おすすめされた求人に盲目的に応募してしまう」「転職ノウハウを体系的に理解していないアドバイザーの意見を鵜呑みにして、選考に落ちる」「業界知識が浅く、話が通じない」など。
プロではないだけならまだしも、基礎的な仕事力が欠如した担当者に当たると転職成功から遠のきます。
(補足)国家資格のキャリアコンサルタントとは別物
職業選択に対する助言を行うことができる「キャリアコンサルタント」という資格がありますが、これはキャリアアドバイザーとは全くの別物です。
- キャリアコンサルタント:国家資格の名前
- キャリアアドバイザー:職種名(営業職、のようなもの)
そしてキャリアアドバイザーは、別にキャリアコンサルタント資格を持ってなくてもできます。というより、持っている人の方が珍しいです。
この違いをよく分かってない転職メディアが名称を混在して表記していることがあるので注意してください。
③サイト上の好きな求人全てに応募できるわけではない
薬剤師転職サイトに登録すると、前述の通り「担当アドバイザーに希望条件を伝えて、それに合ったものを紹介」という形で求人情報を得ていくことになります。
自分で検索しながら、色んな求人を比較検討できるわけではありません。
もちろん、サイト上には求人が掲載されているので、「これに応募したい」と言えばできます。が、キャリアアドバイザー判断で、エントリーが薬局側に届かないケースもあります。
転職サイトは薬局側から「こんな人材を採用したいです」という要件を聞いていて、それに合致した人を送り込む役割を担います。言い換えれば、採用要件に合っていない人にエントリーさせるわけにはいきません。お金(紹介料)を払う側のニーズを最優先にしなければならないわけです。
極端な例ですが、以下のようなパターンもあり得ます。
キャリアそこそこの薬剤師「この管理薬剤師の求人にチャレンジしたいです!」
→しかし、その管理薬剤師を募集している薬局はベテランに来てほしい
この場合、転職サイトは「分かりました。エントリーしておきます」とだけ言って、エントリーしないということもあります。薬局が欲しい人材と違う人を紹介するわけにはいかないからです。※後から書類選考通りませんでした、とだけ言われます
④無駄なコミュニケーションコストがかかる
転職サイトは、転職活動を効率的に進める手段ですが、無駄なコミュニケーションコストがかかることもあります。
例えばよくあるのが、希望条件を詳細に伝えたにもかかわらず、紹介された求人が全て的外れ、というケースです。保有求人が少ない小規模転職サイト、あるいは業界知識とヒアリングスキルが欠如した担当者がいる転職サイトによくあります。
求人紹介は基本的に①担当者が希望条件をデータベースに入力し、②出力されたものを担当者がチェックして紹介、という流れで行いますが、データベース上でヒット0件、ということもよくあります。
その場合、担当者は”限りなく条件に近い求人”を紹介してくれますが、給与や仕事内容など何かしらが希望から逸脱したものになるはずです。
紹介できる求人があるかどうかは、その転職サイトが保有している求人数次第なので、小規模転職サイトだと「登録→面談→紹介→的外れ→退会」の繰り返しになることもあります。
また、業界知識が著しく欠けた担当者は、そもそも希望条件を正しく把握できませんから、意思疎通で無駄なコミュニケーションが発生します。
⑤将来を見据えた提案ではなく、「今転職しやすい職場」を紹介される
転職サイトは「薬剤師のキャリアの悩みをしっかり理解し、その人に最適な求人を提案する」という触れ込みですが、これは建前です。
本音のところは、登録した薬剤師が「転職できそうな職場」を中心に紹介されます。なぜなら、薬剤師の転職が決まらない限り、転職サイト側はタダ働きになるからです。
ちなみに、客観的に見て今の職場でもう少し頑張った方が、長期的なキャリアでメリットが大きいとしても、「転職しない方が良いですよ」とは言ってくれません。
⑥冷静かつ正常な判断がしづらい
薬剤師転職サイトで個人的に一番のデメリットと感じるのは、相手のペースに巻き込まれて冷静な判断ができなくなることです。
特に成績を上げたい野心溢れるキャリアアドバイザーが担当になり、薬剤師のあなたがやや押しに弱い場合、次のような事態が想定されます。
①微妙な求人を熱心に紹介してきて、「とりあえず選考だけでも受けてみましょう」と説得される
②選考を受けるだけなら…と面接に行き、内定が出る
③内定承諾を迷っていると、「せっかく内定出たのにもったいない」とクロージングをかけてくる
かなり押しの強いアドバイザーの例ですが、心根が優しい人ほど「サポートしてもらったし、断るのは申し訳ない」のような明らかに冷静さを欠いた判断をしてしまいがちです。
今より良い職場に転職するつもりで登録したのに、相手のペースに巻き込まれて正しい判断ができず、転職に失敗してしまっては元も子もありません。
転職サイトを使わないとしたら、他にどんな方法がある?
薬局に直接電話
近所の薬局に直接電話し「薬剤師を募集していませんか?」と問い合わせる方法です。
タイミングよく募集していれば、かなりの確率で採用されると思います。(紹介料がかからないので)
ただ、給与条件などを確認してない状態でエントリーとなるので、あまり推奨しません。
人づて/紹介
知人の紹介で転職先を探すという人も多少はいます。ある程度信頼関係が築けていることが前提となるので、変な職場に入ってしまう確率は低いでしょう。
ただ条件が合わなかった場合に断りづらいなど、心理的なハードルが高いのがネックです。
ハローワーク
ハローワークで探すという方法もありますが、おすすめはしません。
ハローワークの悪評は後を絶たず、求人を探す場所として機能していないからです。それに採用でもほとんど活用されていません。
厚生労働省「医療・介護分野における職業紹介事業に関するアンケート調査」によると、医療機関が採用した薬剤師のうち、ハローワーク経由で採用した薬剤師は9%程度しかいないとのこと。
そもそも人材が採用できないので、以下のような理由から「ハローワークをそもそも活用していない」という医療機関も多いです。
- なかなか求職者が集まらないため
- 採用のスピード感がないため
- 多くの求職者からの応募が期待できないため
ハローワークはもはや、薬剤師も病院も使っていない場所、といった感じです。
ハローワークはかなり悪い評判が多く、ざっとあげるだけでも以下の通り。
「数十年前からアップデートされていない検索システム」「必要最低限の情報しか載っていない求人」「求人の虚偽報告が後を絶たない」「助成金目的の求人が多い」「意味不明な紹介状制度」「最低賃金スレスレの求人が横行している」「年間休日96日の求人が当たり前に存在する(土曜隔週出勤はマスト)」など。
企業がハローワークに求人を出す際、一応審査はありますが実態はザルです。ハローワークは国営期間であり評判がどうなろうと関係ないので、質の低い求人の無法地帯になっています。
※転職サイトは質の低い求人を扱うと評判が下がるので、求人の質に関しては割とシビアです。
また、ハローワークも窓口担当者に相談しながら転職をしていきますが、この担当者は非正規の臨時事務スタッフです。求人に関して質問しても具体的には何も把握しておらず、頼りになりません。
「薬剤師転職サイトを選ぶな」と言っているのは誰?
1.手数料を払う余裕がない資金力に欠ける薬局
「薬剤師転職サイトを選ぶな」という意見の9割は、手数料を払う余裕がない資金力に欠ける薬局の声です。「転職サイト経由で採用すると紹介料が高いから、うちに直接応募してきてくれ…!」ということですね。
ただそうは言っても、無名の薬局にわざわざ直接応募してくる親切な薬剤師なんていませんから、転職サイトに頼らざるを得ないわけです。
結果的に、転職サイトで人材を採用しているのに「転職サイトを選ぶな」というかなり矛盾した発言になっています。
急に支払えと言われたわけでもなく、最初から提示された紹介料の条件を了承して転職サイトに人材紹介をお願いしているはずなのに、変な話です。金額に文句があるなら頼まなければ良いだけですね。
そもそも「紹介料が高い」というのは、確かにその通りです。しかし薬剤師に限らずどのような業界であれ、人材を集めるのにお金をかけるのは当たり前です。
特に薬剤師という市場価値の高い資格保有者を採用するのに、お金を1円もかけたくないなんていうのは少々都合の良い話ですね。
医療福祉系の採用担当者から、「紹介料が30%は高すぎる」という意見があがりがちですが、どの業界でも人材紹介の手数料はだいたい30%です。むしろ採用が難しい職種にすれば安い方でしょう。(一般ビジネスパーソンのハイクラス人材だと35%~が当たり前)
いずれにせよ、なんとかタダで薬剤師を採用したい!というお財布カツカツな薬局の意見は、あまり真に受けないでも良いと思います。求人に1円もかけられない薬局、つまり人材にお金をかけられない(かける気がない)薬局が、働く薬剤師に十分な待遇を用意できるとは思えませんからね。
2.悪質な転職サイトに当たった経験のある薬剤師
過去に悪質な転職サイトに当たり、嫌な思いをした薬剤師からも同様の意見があがることはあります。
実は薬剤師転職サイトは企業運営だけでも70社以上あり、さらに個人が開業することもできます。(初期費用もかからず、特別な資格取得も不要)
転職サイトはどこでも良いわけではありません。きちんと選ばないと能力の低い担当者ばかりのサイトに登録してしまうこともあり得ます。
それでも薬剤師転職サイトでの求人探しが当たり前な理由
ここまでは薬剤師転職サイトのデメリット的な側面をお伝えしてきました。しかし転職サイトはデメリットばかりではありません。
というより、正しく目利きして使えば、メリットの方が上回ります。
薬剤師転職サイトのメリット
1.「何から初めて良いか分からない状態」からスタートして、転職成功までたどり着ける
2.主体的に動かなくても、転職活動が半自動的に進む
3.選考落ちの理由が分かるので、対策しやすい
4.選考の日程調整や疑問点の質問を代行してくれる
5.腕の良い担当者なら、良い求人を見繕ってくれる
6.採用担当者にプッシュしてくれる(転職成功すれば収益になるため)
特に太字にした3つが他に代えがたいメリットかと思います。
転職サイトは、面接や入職の日程調整を代行してくれるのはもちろん、直接聞きづらいことも代わりに確認してくれます。(ぶっちゃけ残業時間どのくらいか、など)
それに担当者次第ですが、業界に詳しい人に担当してもらえれば、かなり条件の良い求人を見繕ってくれるでしょう。
またこちらも担当者の腕次第ですが、あなたの人柄や経歴などを先方の採用担当者に上手い具合にアピールしてくれます。転職サイトにとってあなたの転職成功=稼げる、なわけですから、キャリアアドバイザーにも力が入るものです。さらに、転職サイトの稼ぎはあなたの収入次第(年収の30%)なので、最後の最後で年収アップの交渉を先方にしてくれることもあります。
まさに利害の一致です。味方に付ければ心強い存在なので、上手い具合に使い倒しましょう。
薬剤師転職サイトはもはやインフラ
「直接応募の方が理論上有利なら、転職サイトを使わずに、直接問い合わせた方が良い」というのは確かに一理ありますが、転職サイトを使わないと求人を募集している薬局のことを知る術がありません。
また、採用する側も手数料に文句は言いつつも、転職サイトを使わないと人が集まらないので仕方がないのが現状です。
要するに、転職サイトは薬剤師と薬局・企業をつなぐ、プラットフォームとして、もはやインフラ的な存在になっているというわけです。
薬剤師転職サイト選ぶなのまとめ
薬剤師転職サイトを使うべきかは状況によります。ある程度転職先の目星がついているなら、利用する意味はありません。しかし、転職先の候補が一切ない状況であれば、情報収集に使う分には役立つでしょう。
参考
厚生労働省
・令和4年(2022年)医師・歯科医師・薬剤師統計の概況
・第22回医療経済実態調査 結果報告に関する分析
・薬剤師の病棟での業務について
・薬局・薬剤師のあり方、医薬分業のあり方
・働き方改革が生産性をあげ 地域に雇用を生みだす!
・薬剤師の需給調査
・かかりつけ薬剤師・薬局の推進について
・薬剤師の需給動向把握事業における 調査結果概要
科学技術情報発信・流通総合システム
・薬剤師法成立までの経緯から読み解く 現在の薬剤師のあり方
・病院薬剤師および薬局薬剤師が製薬企業に求める情報内容に関するアンケート調査
・薬剤師のワーク・ライフ・バランスに関するアンケート調査
・薬剤師のキャリアデザインとキャリア教育の必要性
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